vascular patternとは,内視鏡で観察される血管の形態学的所見を指す1).
標準的な白色光を用いた内視鏡観察で視覚化される血管は,正常胃粘膜では,集合細静脈CV(collecting venule)である.
萎縮性胃炎では,集合細静脈に加えて粘膜下層の静脈(vein)が視覚化される(Fig. 1).
標準的な白色光で視覚化されるvascular patternは,Helicobacter陽性胃炎(RACの項を参照)・萎縮性胃炎(Fig. 1)・癌の存在診断・境界診断(Fig. 1)2)に有用である.
8μm以上の最大分解能を有する光学的拡大内視鏡で視覚化されるvascular patternを微小血管構築像MV(microvascular)patternと称する1).
拡大内視鏡により視覚化される血管は,正常胃粘膜・慢性胃炎粘膜では,上皮下の毛細血管SEC(subepithelial capillary)と集合細静脈である(Fig. 2, 3)3).
潰瘍などの粘膜欠損の治癒過程や上皮性腫瘍などの病的な状態で出現する微小な血管は,毛細血管や集合細静脈のいずれにも分類できないので微小血管MV(microvessels)と総称する(Fig. 4)1).